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FAQよくある質問

登山靴靴紐の掛け方

登山靴靴紐の掛け方

登山靴の構造を見ると、つま先側はわっか(D環)が並んでいますが、4~5段目辺りからフックに変わっていますね。
フックだと靴紐が緩むとフックから外れることもありますから筒の上までわっか(D環)になっていても良い感じがしますが、なぜ紐を掛ける金具全部をわっか(D環)にしていないのでしょう?

フックになっている意味は、登山中や下山中に足首のしまり具合を簡単に調節できるようにするためです。
ではつま先部分はというと、しっかり締めれる様にしたり紐が外れないため以外にも、フックだとズボンやテンションコードが引っかかって危ないのでわっか(D環)になっています。

つまり、登山靴の特徴でもあるわっか(D環)とフック、この金具形状の境目が「靴」と「登山」の境目だと思ってください。
よって、つま先部分から靴紐を順に締め上げていき、わっか(D環)とフックの境目で靴紐を一度結んでやるのが「靴」としての正しい履き方になります。

結ぶ方法ですが、写真の様に靴紐をねじって摩擦を増やし、緩まないようにしてやるだけです。
(ねじるのは一回だけでもよいですが、写真の様に二回ねじれるスペースがあるなら二回のほうが緩みにくくよく留まります)
つま先から順番に靴紐を締め上げていき、わっか(D環)とフックの間で一度留めてやると足が登山靴内でしっかり固定され、普通の靴で言う「靴紐をきちんと結んだ」状態になりますから、足が前に滑ったり中で動き回ったりすることも無くなります。

これが登山靴の「正しく靴を履く」一番のポイントです。
なお普通の靴の履き方と同様かかと部分に足を寄せて靴紐を結ぶことは基本なのでここでは解説しませんが、今一度基本の確認をされたい方は雑誌や他店ホームページなどをご参照してください。

登山靴手入れの方法(暫定版)

登山靴お手入れ方法のご質問を多くいただいているため、登山靴手入れ方法の暫定版を公開いたします。
これを押さえれば、登山靴は長持ちする

「登山靴」=「登山」+「靴」
・登山のポイントは⇒ 「快適に使用するための処理」が出来ているか
・靴のポイントは⇒  「正しい靴の手入れ」が出来ているか

販売店等では登山靴の手入れ方法として洗った後乾燥させ、ワックスや保革オイルを塗るようにとの説明を受けたものと思いますが、この様な手入れ法ですと5年程度で指関節の曲がる部分にひび割れが起きることがあります。
また上記の手入れ法では10年程度経つとほとんどの登山靴でも曲がる部分にひび割れが起きますが、ひび割れてくるのは手入れ法が間違っているためです。

登山靴の手入れの考え方は、普通の「靴」の手入れに「登山」の手入れが追加されたものと考えてください。
登山靴⇒「登山」+「靴」 というイメージです。

具体的に「登山」+「靴」の手入れ法を解説しますと、「靴」部分の手入れとしては
1.登山靴を洗う ⇒ 2.乾燥 ⇒ 3.デリケートクリーム塗布 ⇒ 4.場合により靴クリーム塗布
となります。
※イメージは顔の手入れと同じです。お化粧を落とし、乳液を塗る流れをイメージしてください。

この後、「登山」部分の手入れとして、防水ワックスや防水スプレーを塗って実際の使用に備えます。
つまり登山の準備をする際に登山靴に防水ワックスや防水スプレーをすればよいです。
※顔の場合ですと、出かける前にお化粧をします。登山靴の場合このお化粧に当たるものがワックスだと思ってください。

「靴」の手入れとして、1.登山靴を洗う については汚れがひどい場合に洗えば良く、そこまでひどくない場合は汚れをブラシで払ったりするだけでよいです。(毎回洗う必要はありませんが、ワックスを落とす意味から2~3回に1回は洗いましょう)
また洗わなかった場合は、3.デリケートクリーム塗布 も行う必要はありません。

このデリケートクリームとは主成分に「ラノリン」を配合しており保水性を持たせた革専用クリームで、普通の靴販売店や靴修理店、ホームセンターで「デリケートクリーム」の名称で販売されています。
またデリケートクリームにはほとんどワックス分が入っていないため、靴の他にもバッグやレザージャケット、ベルトや財布といった革製品にも使うことが出来ます。

革は適度な水分が必要なのですが、洗ったまま乾燥させると革の内部に在った水分が無くなり、その無くなった部分にオイル分を染み込ませると革を構成する繊維構造が変化し革が脆くなってひび割れますので、適度な水分を保持するデリケートクリームを塗ってやることで革の柔軟性を保つようにします。
そのため洗わなかった登山靴に塗りこむと塗りすぎになる場合があり、かえって良くないので洗った時にデリケートクリームを塗るようにしてください。

デリケートクリームの使い方については、布やブラシなどで塗りますが薄めに塗るようにします。(ブラシは刷毛目がつくことがありますので、布がお勧めです)
浸透性が高いため最初に塗った場所と二度目に塗った場所の境が濃くなったり、最初に塗った部分が濃く見えたりしますが、気にせずそのまま革全体に塗ってください。
約10分で革の内部にクリームが浸透していき、革の奥から色が浮き上がってきてしっとりとした感じになります。
10分経っても表面上にクリームが残っている場合は、その部分はクリームが多かったということですのでふき取ってください。

4.場合により靴クリーム塗布 については無理に塗る必要はありませんが、こすれたりして色が薄くなった際に靴クリームを入れるのは登山靴にとっても精神的にも良いことなので、色はげが気になるようでしたら靴クリームを塗ると良いでしょう。

スライダー取り付け方法

スライダーが外れたがうまくはめられない、ファスナーの噛み合わせが外れたままでスライダーが付けられないという方々からご相談がありました。
そこでスライダー取り付け法の一例をご紹介します。

スライダー修理1

例として金属ファスナーのスライダー磨耗による締まり不良を交換する方法で解説しますが、樹脂ファスナーやコイルファスナーの場合も同じ方法で直せます。
上の様な場合はファスナーをばらさずに、閉める側にスライダーを動かして抜き取りますが、そのままだとファスナーの口が開いたままで新しいスライダーを取り付けることが出来ません。

スライダー修理2

この様に上止めを外して磨耗したスライダーを取り外しましたが、ここから少しだけ小技を使います。

スライダー修理3

その小技とは、ファスナーのムシをひとつずつかみ合わせていく方法です。
一番下の閉じる部分からファスナーのムシを噛ませながら順に上に進んでいきます。
内容としては非常に簡単ですが、根気が必要です。
また下の根元部分ほど外れようとする横の力がかかっていることも多いため、集中力を維持しながら足首辺りまで一気にかみ合わせていきましょう。
ある程度の高さ(足首辺り)まで進んだら、外れようとする横の力は殆ど無くなりますので一息入れる等して集中力を取り戻すようにして上までかみ合わせていきます。

スライダー修理4

ここまでくればもう一息です。
良くあるのがこの辺りまで来ると集中力が切れて手元が狂い、せっかく合わせたファスナーをばらしてしまう事もあるのでなるべく集中できる環境で作業を行いましょう。

上までムシをかみ合わせた後に、新しいスライダーを差し込み下に下げれば交換修理も大詰めです。
最後に上止めをつけて、スライダーを閉めた時に抜けないようにすれば修理完了となります。

スライダーを差し込んだが下に動かない場合は、ファスナー両耳の上端をつまみ、横に軽く引っ張ってやりながらスライダーを下げるとうまくはまるでしょう。
オートマチックスライダーの場合はスライダー引き手を引っ張ってロックを解除しながらはめる様にしましょう。

ファスナースライダーの延命方法

スライダー延命方法1

ファスナーを開け閉めし続けると、ファスナーが閉まらなくなってきます。
最初の内は何とか閉まっても、そのうちにスライダーを何度動かしてもファスナーは閉じなくなりますが、スライダー交換をしなくても少しだけ延命させる方法がありますので、ここでは延命方法の解説を行います。
一般的な金属ファスナー用スライダーを用いて解説します。

スライダー延命方法2

スライダー断面の模式図で解説をしますと、通常は上記図左の様なイメージになります。
ファスナーを使用し続けると、赤丸部分(図右)が磨耗して隙間が出来、スライダーの歯(ムシ)を噛み合わさせる力がなくなり、ファスナーは閉まらなくなります。
そこで、スライダーの上下を磨耗した分だけ潰し、ファスナーの歯(ムシ)を噛み合わさせるようにすれば、スライダーが延命できることになります。

スライダー延命方法3

実際のスライダーでは、矢印の箇所を潰すことになります。
上記写真赤丸部分に圧力を掛けて、潰すことでファスナーはまた閉まるようになります。

潰す方法としてプライヤーで潰すのが一番簡単なのですが、ファスナーが取り付けてある商品によってはプライヤーが入らず、金属の打ち台とピンポンチといったそれなりの工具が必要になることがあり、無理に工具をそろえるよりも修理店に持ち込んだ方が安くなりますので、一概にどなたにでも出来るとは言い難いのが実情です。

また工具をお持ちの方でも、潰す加減はかなり微妙で、慣れない方があまり強く叩きすぎると閉まりすぎて逆に動かなくなることもあり、それなりに器用な方が慎重に行う以外、あまりお勧めはいたしません。

ただ経験されますと、閉まらなかったファスナーが一時的にでも使えるようになりますので、緊急の対処法として知っておいてもよいかと思います。

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